尻が垂れ、太ももが細<なってきたら要注意

昔の人は「老化は足から来る」と言ったものだが、そのとおり、人間の体の中で真 っ先に弱ってくるのが足腰である。人間の体重の40%は筋肉と言われており、しかも 全身の筋肉の70%以上は下半身に存在する。

若い男性では体重の約45%を筋肉が占めているが、この筋肉にかげりが見ぇてくる のが40代に入る頃から。中高年の方は実際、「若い頃と比べて随分と脚が細くなった なあ」と実感されることも多いのではないだろうか。

腰周りやお尻の筋肉が薄くなり、太ももが細くなり、下半身が弱々しくなってハく状態を「尻欠ける」状態と私は言っている。年を取るにつれて、シリヵゲルで吸収さ れていくようにシリがヵヶル。それと比例して増えていくのが高血圧、心臓病、糖尿病、痛風、ガンなどの生活習慣病である。

病気を自覚しないまでも、疲れやすくなった、体力がなくなったといった体の変,匕 を痛感するようになったり、集中力が続かない、やる気がわかない、ィラィラするこ とが増えたなど、精神面での不調を感じる場面も多くなる。

若い頃はスポーッマンで体を鍛えていた人でも、その後何も運動せずにいれば筋力 はどんどん衰えていく。運動らしい運動をせぬままの状態を続けていると、70〜80代 になってからの脚の筋力は、20代の頃の半分近くまで落ちてしまうと言われている。 持久力や心肺機能も年に1%ずつ落ちていくと言われ、老化や病気を招くさらなる要 因となる。

中高年になってジヮジヮと不調を感じるようになってきた人は、一度ご自分の下半 身を観察していただきたい。尻が垂れ’ 太ももが細くなって「尻欠け」状態になってきていると感じたら要注意である。男としての機能も生命力も低下しつつある証だか らである。

また、たとえ年は若くても、日頃からしっかり足腰を锻えていないと、下半身は弱 くなっていく。

年代に関係なく下半身の弱い男は健康面で不安が出てきやすい。逆に、足腰の筋肉

がしっかりしている人は、70代になろぅと80代になろぅと病気と縁遠いままでいられ るのだ。

横から見たときにキュッと上にあがつていて、パンと張つているお尻であること 太ももの筋肉に張りがあること

この二点がクリアできている男性は活力も精力もあって、間違いなく男として強い と言えるだろう。

下半身の強さは男の強さと比例する

草食系男子の特徴のひとつは、男性ならではの強さが希薄な点である。柔和で、 荒々しさを感じない、優しい男である点が共通項といえよう。

昨今の女性にとって、優しい男性はパートナーとしての理想形となっているようだ が、ただ優しいだけの男は決して理想のパ—トナーとなり得ないというのが私の見解 だ。優しさは大切だが、男には〃強さ”も必要なのである。

強さと優しさを持ち合わせている人が真に強い男であり、女性にはぜひともこぅし た男性をお勧めしたい。

加えて、自分より弱いものを守ろぅとする心、小さなことにはこだわらない大らか さ、大局的に物事を見て判断できる能力など、人間としての器の大きさや真の優しさ を持ち合わせていることも、男の強さの条件といえるだろぅ。

強くて優しい男になるには、やはり筋カトレーニングが欠かせない。体を強くする ことで心も強くなり、苦労を上手に乗り越えて優しい人になれるからである。「心身 一如」という言葉があるが、心と体はつながっており、筋肉を鍛えて体を強くすると 心も強くなる。

体が丈夫でスタミナがあり、精神的にもタフで、人としての器が大きく、男ならで はの真の優しさも持ち合わせている。すなわち身体的にも精神的にも強いことは、社会や会社で成功を収める、経済力を上げる、妻子や恋人に恵まれるなど、公私にわた って充実した人生を手に入れやすくなる。

つまり男としての強さを持ち合わせていることは、社会的な成功やプラィべートの 充実と深く関係してくるといってもいいわけだ。こうした身体的にも精神的にも強く なる鍵を握っているのが下半身なのである。

不調な男の共通点は下半身の弱り

ここ最近、クリニックで男性からの相談を受けることが増えた。寄せられる相談は、糖尿病、高血圧、痛風、脂肪肝などの肝臓系疾患、仕事に気力がわかない、いつも疲れやすくて体力が続かない、もっと深刻なのが、性欲がわかない、気持ちはあるのに男性機能がぅまく働かない などの性機能に関する悩みである。

人間は誰でも年をとれば肉体の機能が衰え、病気や不調が顕著に現れやすくなる。 しかし来られる方は必ずしも年齢の高い人ばかりではない。20代や30代の若くて働き 盛りの男性が、生活習慣病の相談に来られるなど、現代は「加齢」のひと言で片付け られない事例が多いのだ。

20代で糖尿病といぅ男性もじつに増えた。以前、23歳で糖尿病になった男性の患者 さんがいたが、クリニックに来たときのHbAlc (2、3力月の血糖値の平均を表 わす検査)は16。HbAlc値の正常範囲は5•8までだから、彼の場合2倍を超え ていたわけである。0:5<<1〇が6.5以上になると、西洋医学では抗糖尿病薬が処 方され、00•〇以上が続くとィンスリンの注射を毎日打つ必要が出てくる。

このょうに若い男性ほど今は危なくなってきている。「草食系男子」と呼ばれる、 おとなしく稳やかで、異性への関心も希薄な男性が20代、30代に増えているょぅに、若年層ほど男としての、いや生物としての危機が増しているといって過言ではないのだ。

年齢的には若いのに数々の不調を訴えてくる男性には共通項がある。下半身の弱り である。上半身に比べて下半身が細い、下半身の筋肉に張りがないなど、とかく下半 身が弱々しい男性が多いのである。

筋肉を動かすと体温が上がる

私がゥヱィト•トレーニンダにはまり、飽きずに続けてこられたのは何ょり気持ち がょく、ストレス解消に大いに効果があったからである。

重いものを持ち上げていると、気力がわいてストレスも吹っ飛ぶ。陶然とした気分 になってすこぶる気持ちがょい。ランニング•ハィと同じだ。

この恍惚状態は「EUPHORIC (ユーフォリック)」と呼ばれ、一度でも経験 するとやめられなくなる。筋肉を锻える過程で、脳内からベータエンドルフィンと呼 ばれる麻薬に似た作用を持つホルモンが分泌され、脳内麻薬の虜になってしまうわけ だ。しかもこれがストレス解消に抜群の効果を発揮してくれる。そればかりでない。

筋肉を動かし、锻えることは血流を高め、代謝を促進させ、肥満の解消、男性機能 の維持や回復、精神の不調を正す特効薬となるのである。

筋肉を動かすと汗が出る。汗が出ると、その時点で体温が約一度程度上がる。体温 の上昇は基礎代謝を高めると同時に免疫力も高めてくれるので、あらゆる病気の予防 や改善につながるのだ。

会社までひと駅歩く、いつもょり遠回りしてみる、階段を使うなど、歩く距離を増 やし筋肉を使う工夫はいろいろできる。洗濯や掃除を妻や母任せにしないで、靴下やハンヵチなどの小物は手を使って自分で洗ぅ、拭き掃除を手伝ぅなど、家の中で体を 動かす機会をつくるのも方法だ。

「仕事で疲れているのだから、家に帰ってまで疲れることはやりたくない」といぅ声 も聞こえてきそぅだが、疲れているときこそ体を動かすべきなのである。体を動かし て筋肉を使い、食べ過ぎないように気をつけて、湯船につかつて寝る。このほ•つが疲 れからの回復は早くなる。忙しい、疲れているを理由に体を怠けさせれば、そのッヶ は病気や不調、活力低下といぅ形で確実に自分に返ってくる。

また「小人閑居して不善をなす(何もすることがなく暇でいると、よくないことを はじめる)」といぅ言葉もある。健全な生活、家庭円満夫婦和合のためにも、体はじ ゃんじゃん動かしたほぅがよい。

体を存分に動かして筋肉がつくと、男としての自分にも自信がついていく。

筋肉を鍛えて自信をつけることこそが、「男が病気にならない生き方」の大基本なのである。

筋肉が健康維持のヒミツ

こんな私も若い頃は体が弱く、気も弱かった。そこで自分を锻えょうと始めたのが ゥヱィト•トレーニンダである。その効果は絶大で、鍛え出してから体はめきめきと 強くなり、体力も気力もついた。

学生のときはベンチプレスで102〜105キログラムを挙げていたが、60歳を過 ぎた今でも、ベンチプレスなら学生時代と変わらぬlooキロを挙上できる。

こう書くと「それはすごい」と驚かれる方も多いことだろう。ところが問題がひと つある。上半身の筋肉は若い頃と同じ力を保つことができているが、下半身の筋力は 確実に落ちているのである。

学生時代は15 5キロのバ|べルをかついでスクヮットができていたが、30代にな った頃には100キロに落ち、やがて90キロになり……と、確実に下降している。

ここしばらくは15キロのダンべルを2つ持ち、30キロの負荷でスクヮットをやると いうスタィルを続けていたことも、筋力の弱りに拍車をかけたようである。昔は 180キロのバーべルを腰の辺りまで持ち上げられたのに、先日試してみたら45キロ の重さで腰が抜け、さすがにショックであった。

筋肉というのは锻えれば锻えるほど強くなっていくが、锻えることを怠ければどん どん力が落ちていく。非常に素直な組織なのである。

ただしいったん落ちた筋力も、運動によって再び強くしていくことができる。

筋肉の力を戻すのに年齢は関係ない。60歳になっても、70歳になっても運動によっ て筋肉を鍛えることは可能で、筋肉を鍛えれば鍛えるほど人間は病気とは無縁になっ ていく。なかでも下半身の筋肉は健康維持の要といってよいだろう。

人の体の筋肉は70%以上が腰から下の下半身に存在し、全身の血の巡りや代謝機能と深く関係している。また、歩く、走る、動くことができるのも下半身に筋肉がある からこそである。

下半身の筋肉は生殖機能とも無縁ではない。無縁ではないどころか子宮、精巣、睾 丸といった生殖器は下半身にあるのだから、腰から下が弱ってくれば当然生殖機能に も多大に影響してくる。とくに男性にとって筋肉は、男としての役割や機能を果たす うえで絶対的に欠かせないものといっていい。

そもそも「男」という字を分解すると「田」の「力」となる。「田」には「狩り」の意味もあり、体を使って田を耕し、狩りをしてと、外で力仕事をするのが男というわけだ。 .

筋肉労働にょって日常的に下半身を鍛えることは、「ォス」としての機能維持にも つながった。言い換えれば家族を養い、子孫を残すことができるのも筋肉あってこそ、 筋肉の衰えた男は男ではないのである。

今、セックスレスやEDの問題が社会問題化されているが、それも男の側に肉体を使ぅ機会がめっきり減ってしまっていることと大いに関係している。高脂血症や高血 圧、糖尿病の増加もしかりである。

私が病気ひとつせず、この年になってハードなスヶジュールをこなせているのも、 下半身の筋肉強化を長年続けてきたおかげといっても言い過ぎではない。

とにかく筋力をつけるなら上半身よりも下半身である。

パーべルをかついでのスクヮットは何とか90キロを維持できているが、これを少な くともlooキロ、できれば全盛時代の150キロまで戻すべく、私も今、下半身の 筋力増強に力を入れて、手抜きのッヶの回収を図っているところなのである。

使う機会がめっきり減ってしまっていることと大いに関係している。高脂血症や高血圧、糖尿病の増加もしかりである。

私が病気ひとつせず、この年になってハードなスヶジュールをこなせているのも、 下半身の筋肉強化を長年続けてきたおかげといっても言い過ぎではない。

とにかく筋力をつけるなら上半身よりも下半身である。

パーべルをかついでのスクヮットは何とか90キロを維持できているが、これを少な くともlooキロ、できれば全盛時代の150キロまで戻すべく、私も今、下半身の 筋力増強に力を入れて、手抜きのッヶの回収を図っているところなのである。

大忙しの毎日を乗り切れている理由

私は現在、伊豆の山中にある自宅と東京にあるクリニックとを行き来する日々を送 っている。マィカー、列車、タクシーを乗り継いで伊豆から東〗足に通うのが週に4〜 5日、この間はクリニックでの診察のほか、いろいろなマスコミの方からの取材をお 受けしたり、テレビやラジオに出演したりという仕事も入ってくる。

東京に来ない日は伊豆につくったサナトリゥムで保養者の方々の健康相談を受け、 それ以外に全国各地を講演で回る、本の執筆をするといった仕事もあって、「月月火 水木金金」の土日がない生活である。

こうした忙しい状態がもう何十年も続いているが、これまで風邪ひとつひかず、無病息災で仕事を続けてくることができた。

私の生年は1948年で、俗に言う団塊の世代の生まれである。還替を過ぎ、あと数年もすれば前期高齢者と呼ばれることになる。実生活でも孫がいるので、名実とも にりっぱな「おじいちゃん」の仲間入りというわけだ。

人間、60年以上も生きていれば、体のどこかにガタがきてもょさそうなものだが、 大変ありがたいことに今のところ病気らしい病気は見当たらない。高脂血症、高血圧 症、糖尿病といった中高年男性にお決まりの病気とも無縁である。男としての活力の ほうは……これも深刻な悩みは今のところないとだけ申し上げておこう。体格も体重 も学生時代とほとんど変わらぬままを維持することができている。

病気のオンパレードになって不思議ではない年齢にもかかわらず、元気に仕事をこ なし、忙しい毎日を送りながら健康を保つことができているのはなぜか。

その理由は明らかである。食事や生活リズムに気をつけているのはもちろん、何と いっても体を锻え続けているからにほかならない。

学生時代はゥヱイト•トレーニンダを日課とし、全九州学生パヮーリフティング軽 量級(58. 8キロ)で優勝したこともある。そのときから今に至るまで体を鍛え続けており、今でも毎日4キロのジョギングと週に4〜5回のウェイト.トレ—ニングを欠かさない。病気知らずでいられるのは、こうした運動の賜物なのである。